パニック障害の原因は「自律神経」と「ストレス」

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パニック障害の原因

パニック障害の原因「自律神経」と「ストレス」の関係

ここでは、パニック障害の最たる原因である「自律神経」と「ストレス」の関係について解説していきます。 この関係性を知ることで、以下のことについて理解することが可能となります。



原因を紐解く前提条件

発作も度合いも人それぞれ

まずは前提条件として、パニック障害の発作症状というものは人それぞれ違ってくるということを知っておかなければなりません。 身体の部位としてもパニック発作は頭部から肩、心臓、呼吸器系、血管系、皮膚、胃腸、足の先まで全身のいたるところに現れます。


パニック障害というものは不安障害という分類のうちの一つに過ぎません。


身体に問題がないのに、あるとき突然に激しい呼吸困難や心臓の動悸・めまい・吐き気など様々な激しい身体的症状(パニック発作)が起こります。 それら症状に対する強い不安を抱えてしまうことによりパニック障害といわれる状態となります。


パニック発作で起こる症状

主な症状としては「動悸」「心悸亢進」「発汗」「体の震え」「息苦しさ」「胸痛」「吐き気」「腹部の不快感」「めまい」「恐怖感」「皮膚感覚マヒ」など、これら症状の最たる原因は、自律神経という身体すべての器官に司令を与えている神経が影響しています。他にもパニック障害の症状は、動悸・息切れ・息苦しい・のどの異物感・ふらつき・手足のしびれ・手足の汗・はきけ・腹部の不快感・下痢・便秘などもあり実に様々です。症状だけでも様々なパニック発作が引き起こされますが、期間や度合いにもばらつきがあります。

1つの症状が長く続く人もいれば、動悸がして・息苦しさがあり・頭痛もする。というように同時にいくつもの症状を抱えている人も多くいます。 毎日不調が続く人もいれば、日によって現れたり消えたりを繰り返す人もいます。


また個々の身体的症状のほか、疲れやすく力が入ってしまう・夜眠れない・食欲がない・めまいがする など慢性的な全身症状を伴うことが多いのもパニック障害の大きな特徴です。


自律神経のメカニズム

パニック障害に深く関わる自律神経のメカニズムとは

ストレスによってパニック障害が悪化していくと言われても、なかなかイメージがわかないかもしれません。 重要なお話となりますが、単に自律神経と言っても2種類の神経が存在していることを忘れないで下さい。



この2つの神経の特徴を説明していきます。


交感神経とは

まず「交感神経」は労働や闘争・運動・ストレスを感じる等の時に働く神経です。交感神経は太陽が昇るとともに少しずつ活発になってきて、昼間がピークになり、夕方から夜にかけて段々と働かなくなってきます。交感神経は、心身を動かすのに適した体内環境にします。つまり、日中にかけて心身ともに活動しやすくする神経といえます。

例えば心身を動かすには、脳や筋肉が主に働きます。 脳も筋肉も働くには、血液が運んでくる「酸素や糖」が必要になります。


ですから、血液をたくさん運べるように血圧を上げたり、心臓の動きを早くしたりします。 夜になって、眠たくなり始める頃には、交感神経は働かなくなってきます。


そのため血圧も下がってきて、心臓の鼓動も遅くなってきます。 心臓が急にドキドキしてしまう人は、この交感神経が過多に働くことで突発的な緊張で起こることが多いのです。


パニック障害の原因としても深く関わる部分として重要なのが、「ストレスが多いと、交感神経は実によく働く」ということです。


後述しますが、現代では、逆に災いになってしまい、交感神経(緊張する神経)ばっかりが働いてしまうのです。 すると自律神経の副交感神経(休む神経)が働けずに、自律神経のバランスが乱れてしまうことで交感神経ばかりが過剰に働き、結果としてパニック障害も悪化していくこととなるのです。


副交感神経とは

副交感神経は、休む・眠る・くつろぐ・内臓が動いているとき・安心感・等リラックスしている時に働いています。主な仕事は、心身を修復・回復することが目的で働いている神経です。

身体は見た目には動いていない時にでも、常に体内では血液を運んだり、呼吸をしたり心臓の鼓動であったりと常に動きがあります。 そのため、修復しないといけない部分が出てくるんですが、副交感神経が働いている時にしか大きな修復はできません。


風邪や疲労などを含め、病気になったら、寝れば一番治りが早いのはこのためです。 副交感神経が活発に働く時間帯は、太陽が沈むとともに少しずつ活発になります。


副交感神経が活発になるということは、心身はリラックスができている状態で修復に入ろうとすることになります。 そして、深夜あなたが寝ているときに副交感神経の働きがピークとなります。


太陽が昇るとともに、少しずつ働かなくなってきて昼間は交感神経が活発になることであまり働いてくれません。


朝に起きて、夜に眠くなるのは、昼間は交感神経、夜はこの副交感神経が働くからです。


副交感神経の働きは内臓を動かしたり、血液を拡張して、体の隅々のまで血液が送られるようにします。 体のあちらこちらを修復するには、それなりに必要なものもあります。


血管は、道路みたいなもので体の各部に必要な物資を運ぶ道になります。各部はその運ばれたものを使って、修復します。


そしてその物資の元の多くは食事であり、バランスのとれた栄養素となります。 内臓は食べたものを小さい単位まで消化します。


副交感神経が低下して内臓が動かなければ、物資そのもの自体もカラダに不足しがちになります。


血液によって運ばれるものは、栄養素や酸素だけではありません。 実は、血液は体温も運ぶことをご存知でしょうか。眠たくなると、手足があったかく感じるのはこのためです。


  1. 眠たい

  2. 副交感神経が働く

  3. 手足の毛細血管の拡張が起こる

  4. 手足の先まで体温が運ばれる


上記の流れが心身にとって非常に重要な流れとなります。


また、ひどい冷え性の人が夜に眠れなくなるのは、手足が冷たいがために、副交感神経が働きにくくなるからです。 このような方は、寝る前の手足をお湯で温めてから布団に入ると寝やすくなります。


気になる方は以下の流れを理解しながら実践してみてください。


  1. 手足を温める

  2. 手足の毛細血管の拡張が起こる

  3. 副交感神経が働いてくる

  4. 眠たくなる


小さい子供や、赤ちゃんなどでよく見られますが、ごはんを食べて眠くなるのもこのためです。 ごはんを食べたことで、胃に食べ物が入ってくるために副交感神経の働きが活発となり、ついつい眠気を感じてしまうのです。


人の摂理として正常な反応ということなのです。


ストレスと自律神経

ストレスにより自律神経が乱れることで起こる問題

交感神経と副交感神経、それぞれの働きについて理解できたところでストレスによって自律神経が乱れるメカニズムについて説明していきます。


交感神経と副交感神経は互いがシーソーのような相対関係となっています。 シーソーのように、どちらかが上がると、どちらかが下がるという関係です。


つまりどちらかが働いているときには、どちらかは働けない状態にあるのです。


脳や身体を活発に動かしたりしている時は、副交感神経の働きは低下している状態です。 激しく動いている時に身体は、交感神経が優位となっているため修復に向かう準備は出来ていないのです。


ではなぜ自律神経が乱れてしまい「パニック障害」になる原因となってしまうのでしょうか。


多くの方は経験的にストレスだと直感的に感じているはずです。 確かにストレスなのですが、致命的な勘違いをしている方も多くおられます。 


それは「ストレス=人間関係などの精神的ストレス」のみであるという勘違いです。


 

精神的ストレスも確かにストレスですが、パニック障害の原因となるストレスはこれだけではないのです。


パニック障害の原因となるストレスは、大きく分けて5つに分類することができます。 原因となるストレスについての理解がなければ、パニック障害が治るどころか悪化していくことでしょう。


そのため、5つのストレスについてもお伝えします。


5つのストレスについて

自律神経が乱れる5大要素を理解しよう

  1. 「精神的ストレス」…失望・心配・不安・恐怖・挫折などを感じる場面で、基本的に(嫌だなぁ)と思うことで生じる

  2. 「肉体的ストレス」…脳の緊張・頭蓋骨・筋肉骨格のゆがみなどによって生じる

  3. 「身体的ストレス」…温度の変化・気圧の変化・アレルギーなど外部からの変化要因によって生じる

  4. 「物理的ストレス」…カフェイン・栄養の過不足など食事のバランスによって生じる

  5. 「テクノストレス」…パソコン・携帯電話(スマホ)・ゲームなどの刺激によって生じる


1つのストレス要因がどの程度のストレスを生み出すかは個人の考え方や性格、不規則な生活習慣などによって大きく変わります。 また、これらは生活習慣として根深く自身に刻まれているため、ストレスの問題として気づきにくいという点があります。


これまでの自分の価値観や生活様式を一変させる必要があるので、一筋縄ではいかない事態となります。 逆に間違いに気づくことさえ出来れば、パニック障害の原因を取り除く大きな転換となるため回復までの道のりはスムーズです。


これら5つのストレス入り混じり、ひどく多い状態が長く続くとこにより「自律神経のバランス」が崩れることでパニック障害が引き起こります。


パニック障害が悪化すると

絶対に避けたい悪化が招く鬱病

もし、原因となるストレスを取り除くことなくパニック障害を放置し続けていくとどうなるか想像したことはあるでしょうか。 結論を先に申し上げますと、パニック障害をそのままにして悪化することで「うつ病」になってしまいます。


その理由をご説明します。


自律神経は交感神経が過剰に働いていると副交感神経が働けないことは前述しました。 副交感神経は体の疲れを取ったり心身の病を治してくれる重要な神経ですから、回復がないままではエネルギーは使われる一方で補充されることあはりません。


そして回復しないままエネルギー切れが起こってしまった時に、身体は強制的に休ませようと「鬱(うつ)」状態に切り替えさせます。 鬱になると体の症状だけでなく、心の症状も変化として現れてきます。


代表的な症状としては、やる気が出ない、色々なことに興味がわかない、楽しくない、笑えない、死について繰り返し考えるなど、心の症状が今の体の症状に加味して出てきます。 心身ともに非常につらい状態である鬱状態が、2週間以上続くと「うつ病」と診断されます。


つまり、ストレスがあると自律神経のバランスが乱れて、交感神経が過剰に働きパニック障害になります。 すると色々な症状が出てくるのですが、これをほっとくと副交感神経が働かないわけですから、エネルギーは補充されないまま消費し続けることとなるのです。


そしてエネルギーが切れると鬱になるという仕組みです。 パニック障害をそのまま放置しておくと、エネルギー不足から鬱病になることがお分かりいただけたかと思います。


これは決して脅しているわけではありません。 生活習慣を見直して、ストレス源を取り除き、自律神経が正常に働く状態にもっていくことが重要となることを認識する必要があります。


そのためパニック障害を悪化させるのは、絶対に避けなければならないということを身体も必死に声を上げて訴えていることに気づいてあげてください。


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