パニック障害の対策
今すぐ、誰でもできるパニック障害の予防対策とは
ここでは、パニック障害の予防対策に焦点をあてて説明していきます。 事前に「パニック障害チェック診断」を行っていただき、チェック数の少なかった方は予防対策として参考にしてください。
すでにパニック障害でお悩みの方、治療中の方は悪化しないための予防対策として御覧ください。 症状克服のために必要な知識については、別途「パニック障害の克服法」に一覧としてまとめています。
今回は誰でも簡単に出来る予防対策を、生活習慣(運動・睡眠・食事など)にターゲットを絞って説明していますので今すぐに実行することができます。 特に食生活におきましては、腸内環境を整えるという観点から免疫力の向上をサポートできる内容となっていますので必読です。
生活習慣をトータルで見直して改善することで、パニック障害の悪化やリスクから少しでも回避できるよう役立てて下さい。
幸福フェロモン「セロトニン」で予防対策
幸せになるための3か条
私たちの体は、幸せな気分にしてくれるセロトニンという ホルモンを分泌しています。別名「幸福ホルモン」と呼ばれるこのホルモンは、パニック障害のときには分泌量がとても少なくなるという特徴があります。
セロトニンをたくさん分泌させるためは、以下の3つの生活習慣が重要となります。
日光
運動
睡眠
まずは、これらを効率よく生活習慣に取り入れることを目指してみましょう。具体的には以下を参考にしてください。
1.日光を浴びる
外出できる人は、一日に15分くらい外に 出てみるよう心がけてみましょう。ご自身のペースで好きな風景を目指して散歩してみるのもオススメです。目安は、心地いい、気持ちいいと感じられる程度が適切です。その日の体調や気分で外に出られない人は、窓際から入ってくる室内光を15分程度、浴びるだけでも効果があります。
2.リズム運動をする
リズム運動と は、繰り返し行われる筋肉の動作のことです。有酸素運動の種類としては「ウォーキング」「複式呼吸(ラジオ体操、ヨガなど)」がオススメです。
「ウォーキングは」日光を浴びながらがよいのですが、その日の体調や気分によっては、外に出る気がしないときもあります。 そんな時は玄関を出て、新鮮な空気を吸ってることだけを意識してみましょう。一度新鮮な空気を吸ってみて、気分が落ち着いたところで、行けそうであれば、そのまま近所を5分間散歩してみてください。
「腹式呼吸」は、腹筋を繰り返し使うのでリズム運動になります。 息を吐く時が大切で、10~15 秒かけて、口にストローをくわえているかのように長く細くゆっくりと息を吐いていくことがコツです。 吸うときは普通に吸ってOKです。1分間に3、4回の呼吸をする感じで、まずは5分から始めてみましょう
3.睡眠
パニック障害になると、眠れないという方が多くおられます。パニック障害の方は自律神経が乱れてしまい、そのため夜遅くまで眠れません。(※自律神経との関係については「パニック障害の原因」のページを御覧ください)
大半は、寝る前にスマホやパソコンを見ていたり、ゲームをしていたり、音楽などを聴いていたりする方が多い傾向があります。 スマホやパソコン、テレビやLED 照明からは「ブルーライト」という光線が出ていて脳を覚醒・興奮させてしまい睡眠を阻害する効果があります。
さらに、スマホやパソコン、テレビなどからは電磁波が出ていて、浴びると脳の松果体に影響して睡眠ホルモンであるメラトニンが抑制されます。ですから、ますます寝付けないということになります。そのことから、睡眠の質と共に不眠を防ぐという意味でも寝る前には電子機器の使用を控えることを実践してみてください。
食生活で腸内環境を整え免疫力の向上を
腸内環境を整え効率よく「幸せホルモン」を生成する
前述しました通り、パニック障害の方に不足しがちな「セロトニン」は、トリプトファンというストレスを緩和させるため「幸せホルモン」とも呼ばれているアミノ酸の一種です。
トリプトファン自体は体の中で合成する事ができないため、私たちは食べ物から摂取する必要があります。 トリプトファンは、豆腐・納豆・味噌などの 大豆製品、赤魚・チーズ・バナナ・ケールなどの栄養素として特に多く含まれています。
パニック障害の方は、腸が冷え切っていると、腸が「幸せじゃない」 と感じることで、セロトニンの分泌を抑えてしまう傾向があります。 ですから、パニック障害や鬱の人は腸の調子があまりよくないという人が多い特徴があります。 便秘や下痢を繰り返すという人も多いことでしょう。暴飲暴食も腸の環境を悪化させてしま います。
腸内環境をよくするには善玉菌を増やすことが大切です。腸内環境がよくなると免疫力も強化されるからです。 以下の項目で、腸内環境を整えつつ、効率よくセロトニンを生成するための「トリプトファン」を摂取するポイントをまとめてありますので是非、実践してみてください。
効率よく「幸せホルモン」を生成するポイント
野菜・海藻類・果物を多く摂る。(体の調子を整え、腸内環境をデトックスしてくれる食物繊維などの栄養素が多く摂る)
動物性のタンパク質と、植物性の良質なタンパク質をバランスよく摂取する。
1日に 1.5ℓ~2ℓの水を飲む。(水道水は NG。利尿作用があるので、カフェインが入ったコーヒー、お茶、紅茶 なども NG)
味噌・納豆・漬物・梅干し・塩麴・醤油など日本古来の発酵食品を摂る。
適度に体を動かす。(腸の働きを良くすることで便秘予防になる。便秘になると腸内に有害毒素が発生し全身にまわってしまう)
腹巻や使い捨てカイロでお腹、仙骨を温め、体の冷えを治す。
腸内細菌を増やしても、抗生物質を飲むと腸内の善玉菌、 悪玉菌を殺してしまいます。
抗生物質を一時的に使用することは感染症に必要ですが、長期的に飲むことは避けたいものです。現代医療では抗生物質を無駄に乱用する傾向があります。 腸内細菌を増やし、免疫力を高めることも必要ということを覚えおきましょう。
まとめ
薬だけでは治らない悪循環のサイクルを知る
ここまで、生活習慣にまつわる予防対策のお話をしてきました。
病院に通院していても、パニック障害がなかなか治らないという方は、最低限の知識として以下の内容についても確認しておいてください。
パニック障害は薬を飲むだけで簡単に治るということはありません。 特有のネガティブ思考と重なって、悪循環に陥ることで薬の服用から抜け出すことが困難になることもあります。
生活習慣の改善に取り組むとともに、悪循環に陥ることがないよう気をつけて治療に専念しましょう。
悪循環の例
心身の不調からパニック障害を疑う
早く治したいと焦って病院にいく
病院で薬を処方される
治療の一環で外出をすすめられる
ひとりで無理に外出をしてパニック発作に襲われる
発作への恐怖と治療への強い不安をおぼえる
引きこもり鬱状態になる
ネガティブ思考に陥り自己肯定感が低下する
パニック障害がなかなか治らず悪循環に陥る場合は、上記のような流れをぐるぐると彷徨っている特徴があります。 症状の度合いにもよりますが、必ずあなたのパニック障害に寄り添って助言してもらえる専門家に相談するようにしましょう。
そして自分自身もパニック障害のことについて理解することが重要です。パニック障害naviでは回復に役立つ様々な情報を発信しています。
毎日少しずつでも知識を蓄えることにより、症状について前向きになることができます。決して諦めることなく、パニック障害は治る病気だということを理解して回復までの道のりを歩んでいきましょう。
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